2020.08.20

267号 ロタウイルスワクチンが10月から定期接種化されます

2020年10月1日(木曜日)より、「ロタウイルス感染症予防接種」が予防接種法に基づく定期接種となり公費(無料)で接種できます。

◆対象 2020年8月1日以降に生まれた方  2020年8月1日以降に生まれたお子さんでも、9月30日以前に接種をした場合は任意接種となり、費用は自己負担になります。その場合、残りの接種が10月1日以降であれば定期接種として無料で接種できます。

◆ロタウイルスとは  ロタウイルスは感染性胃腸炎の原因となるウイルスの一つで、主な感染経路は人と人との間で起こる糞口感染で起こります。感染力が強く、ごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染してしまうので、感染予防が極めて難しいとされています。主な症状は、水のような下痢、吐き気、嘔吐、発熱、腹痛です。乳幼児は、激しい症状が出ることが多く、特に初めて感染したときに症状が強くでます。嘔吐や下痢により脱水症状がひどくなると、点滴や入院が必要になることもあります。

◆ロタウイルス予防接種には「2種類のワクチン」がありどちらも経口投与(飲む)生ワクチンです
 いずれか一方の同一のワクチンで接種を完了する必要があり、途中で変更はできません。
  【ロタリックス】[1価・2回接種]
    一番流行して重症化しやすい1種類のロタウイルスを弱毒化したワクチン
    生後6週0日後~生後24週0日後まで、4週間隔で2回接種
  【ロタテック】[5価・3回接種]
    重症化しやすいウイルスを含む5種類のロタウイルスを弱毒化したワクチン
    生後6週0日後~生後32週0日後まで、4週間隔で3回接種

 生後6週から接種は可能ですが、標準的な初回接種期間は、生後2月から生後14週6日までです。
注意すべき副反応として、まれにですが腸重積を起こすことがあります。一般に腸重積はワクチンの接種のみで起こるわけではなく、もともと乳幼児期に起こりやすい病気ですが、初回接種後、わずかに腸重積のリスクが増加する可能性が指摘されています。詳細はまだ不明ですが、初回接種が遅くなるほど頻度が上がる可能性も考えられることから、初回接種は15週未満で接種することが重要です。

 ロタリックスとロタテック、どちらも重症化を防ぐ効果が90%以上認められており、有効性に差は無いと考えられています。そのため、当院では、接種回数が少なくワクチンスケジュールが組みやすいロタリックスを使用していました。しかし、2020年10月1日から、予防接種間隔の制限が一部緩和されることから、今までよりは若干余裕を持ってスケジュールが組めるようになります。そのため、当院では10月1日以降、3回接種でよりしっかり免疫が付くことが期待できるロタテックを使用します。ロタテックに関しては10月1日以降予約はいりません。9月30日以前にロタリックスを接種されていて、引き続きロタリックスをされる方は、今まで通り接種希望日の2~3日前にご予約して下さい。